「皆・・・!」

「「「「!!」」」」


駆け寄る花音に、蒼達が気付いて振り返る。


「花音ちゃん!?戻ってきちゃったの!?」

「・・・うん」


未央に頷いて、動きを封じられている風夜を見る。


(今、助けてあげるから)

「・・・拘束解いてあげて」

「はっ?何言って・・・。ようやく、動きを封じたところだったのに・・・」

「いいから!」


そう言った花音に、蒼と未央、梨沙、彼方が視線を交わしあった。

少しして彼方と未央が溜め息をついたと思うと、風夜を閉じ込めていた空間と縛っていた蔓が消える。

それを確認した次の瞬間、花音は地面に叩き付けられていた。


「「花音(ちゃん)!」」

「「っ!!」」

「大丈夫だから、手出さないで!」


紫影の話を一緒に聞いていた飛鳥以外の四人が動こうとするのを、花音は叫んで止める。

そして、自分を地面に叩き付け、上にのし掛かっている風夜を見上げる。

無表情で見下ろしてくる彼に向けて、手を伸ばすと意識を集中させた。