両親を前に大きく、息をはく。

優しい表情を浮かべたまま、花音が話し始めるのを待っている二人に、気持ちを落ち着かせると口を開いた。


能力が目覚めたこと。

聖が陰の一族であったこと。

風の国が陰の一族に襲撃され、風夜と脱出したこと。

光輝との再会。

火・水・地の国が陰の一族について、雷の国を襲ってきたこと。

光の一族が住んでいた地で襲ってきた謎の女のこと。

そして、風夜達との別れ。


最後の方は再び泣き出しそうになったが、頑張って話した。

何度か言葉が詰まりかけても、両親は急かすことなく聞いてくれていた。


「・・・そう。大変だったのね」


話し終えると母がそう返してきた。


「お母さん、私、皆を・・・」

「いいのよ、花音。もういいの。もう此方にいなさい。ね?」

「能力があるかないかは関係ない。使わなければいいだけのことだからね。・・・そうだ」


何かを思い出したように父が声を上げる。


「花音、実はお前は学校を休学状態になっているんだ」

「えっ?」

「戻ってきたなら、学校に復帰しなさい。その方が気分転換にもなるだろう」


そう言った父に花音はただ頷いた。