「!!」


家を出たところで、花音は足を止める。

目の前には、聖と襲ってきた女がいて、楽しそうな笑みを浮かべていた。


「聖ちゃん!?それに・・・」

「フフ、いいの?足を止めて。此処じゃ、すぐに追い付かれてしまうわよ」


女の言葉に花音は後ろを振り返る。だが、まだ追ってきている様子はなかった。

それに気づいて、女が顔をしかめる。


「・・・まだ抵抗するだけの力があるみたいね。だけど」


言葉と共に、女が何かを握り潰すようなしぐさをする。


「うわああぁ!」

「風夜っ・・・!」


聞こえてきた声に戻りそうになる。

だが、その前に何かが壊されるような音を聞いて戻るのをやめ、花音は走り出した。