「これは?」

「貴女のペンダントと同じものよ。私達は、この力を借りて、力を使っているの」

「私達って、他の皆も?」


頷いて、蒼が指輪、梨沙がイヤリング、未央が髪留め、彼方がブレスレットを見せる。


「そもそも、これには本来の俺達の力が封じられているんだ。この世界に来る際に、封じられた力が」

「これを持っていることで、力を使える。だが、本来の力には程遠いから、向こうで生活している奴等に比べたら、劣ってしまうんだ」

「どうすれば・・・」

「ん?」


花音が呟いたのに、五人の視線が集まった。


「どうすれば、本来の力が使えるの?私、今のままじゃ・・・」


そこまで言って、誰かに手を握られる。見ると、梨沙だった。


「焦っちゃ、駄目。私達も協力するから」

「私も!私も頑張るよ!」

「花音、大丈夫だよ。・・・一人じゃないから」


順に声を掛けてくる梨沙達の後で、蒼と彼方も頷く。


「・・・ありがとう」


それに花音は泣きそうになりながらも、小さい声でそう返した。