火焔達が大広間に来ると、そこには大勢の兵士が集まっていた。


「あの、一体何をするんですか?」

「ふふ、見てればわかるわ」


火焔達と同じように呼ばれたらしい聖が聞くと、窮姫が返す。


「さあ、始めましょう」


その言葉で兵士達がいる部屋に、何かがばらまかれたように彼等の姿が見えなくなる。

次にその姿が見えた時には、異形の者へと変わっていた。


「なっ?一体何を!?」

「何って、魔族の力を彼等に移してあげたのよ」

「どうして、そんなこと・・・」


水蓮が聞いた時、窮姫は目を冷たく細めた。


「それは、向こうが宝珠を随分手に入れてしまったから、此方も戦力をあげないといけないでしょう?」

「だからといって、これは!」

「・・・・・・彼等を助ける方法もないわけじゃないのよ。ただ、宝珠の力が必要なのだけど、それも向こうにある宝珠すべての力がね」

「っ・・・、それはあいつらが集めた分も取ってこいってことか?」

「ふふ、どうするかは任せるわ。ただ、助けたいのなら、ね」


そう言うと窮姫は立ち去っていく。

残された火焔達は、変わり果てた兵士達を前に暫く立っているだけだった。