「・・・・・・」

「あのさ、風夜、これ・・・」

「・・・いや、そのままお前が持ってろ」


自分の手を見つめていた風夜はそう返すと、火傷を負った手を隠すようにした。


「手に入ったみたいだな。よし、なら先に戻ってろ。俺は後の五人に知らせてから戻る」


言って、白夜が姿を消す。


「・・・じゃあ、先に戻るか。待っている奴等も心配してるしな」


そう言った刹那が力を発動させる。

気が付いた時には、光の街の中にいた。


「花音ちゃん!」


光輝の屋敷へ入ると、声と共にいきなり誰かに抱き付かれた。


「よかったよ・・・、花音ちゃん・・・、風兄様も・・・」

「風華ちゃん・・・」


泣いているようにも聞こえる風華の声に、彼女の頭を撫でる。


「ごめんね、心配かけて・・・」

「本当、捕まったって聞いた時は、気が気じゃなかったわよ」


花音の声に返す声がする。


「あ、琴音ちゃん」

「あ、琴音ちゃん・・・じゃないわよ、もう」

「本当にごめんね」


呆れたように声を上げた琴音や、その後ろから現れた夜天達に聞こえるようにもう一度言うと、花音は小さく笑った。