汀紗は本当に「いい子」だった。


素直で面倒見が良く,そして人を疑うことは,絶対にしない。

絶対の信頼を私に寄せている。

騙す事も,裏切る事も,当然しないだろう。
正に私とは真逆だった。

そんな私は,汀紗と居る度に自分の心の醜さを知って…


それでもやっぱり,甫芽を求めてしまう。
汀紗の代わりに,甫芽を手に入れようとしてしまう。


そんな自分が,嫌い。