ずっと好きだった。

「寒いか?」

「まぁ、ちょっとね」

俺のつけてたマフラーをみちるに巻く。

「そしたら翔馬寒いでしょ?」

「いいんだよ。お前が寒くなかったらそれで」

「ありがと。」

みちるはちょっと恥ずかしそうにそう言った。


海が見えるところのベンチに座った。

「翔馬」

「ん?」

パシャ。

え?しゃ、写真撮られた…?

「あははっ!翔馬の顔ちょっと近かったかな?」

携帯を見ると、俺の顔が大々的に写ってた。

「なんで、撮ったんだよ?消せよ~!」

「やーだよ!もう保存しちゃったもんねっきゃあ!」

座ってるベンチから落ちる寸前で俺が腕を引いた。

「大丈夫か?俺の写真なんて撮ってるからこうなるんだって」

おとなしくなる。

時計を見るとあと、5秒で6時。


バンッ!

6時ちょうど、空に大きな花火が上がった。

「えっ?え?花火!これ見るために、ここに来たの?」

「うん。あと、もうひとつある」

…よし。言うぞ。