「記念に写メ撮る」




翔馬はポケットから携帯を取り出して、

あたしの泣き顔を撮り始めた。




「初めて泣いたとこ見た。なんかした?俺」



「いや。なんも」

「だよな。まぁいいから帰るぞ」



いまあたしに告白してふられた人とは思えないくらい明るい振る舞い。






「あーあ。ふられちゃったなー。意外と自信あったのに。ははっ。」



翔馬は、笑っていたけど。多分、心は笑ってないと思う。




「俺、高校で全国制覇するのが今の夢なんだ。



平瀬の高校バスケ、強いんだってな。


もしかしたら、全国で会うかもしんねーな!」



「うん。そう…かもね。」

「お互い。これからも頑張ろうな!」



そう言って、翔馬はあたしの顔も見ず後ろを向いて歩いていった。