「隙あり!」

俺が、動揺してる間に道隆先輩は俺からボールを取る。

ハーフまで戻って、スリーポイントシュート。

きれいに決められ、俺の負け。

「せこい!」

「うっせ。集中力が足りん!」

「それより…なんで、知ってるんすか?」

「ふっ。先輩だから?」

…。そのことについては、軽く流した。

「意外と、大胆だね、翔馬は。あ。噂をすれば」

平瀬と佐伯先輩が一緒に体育館に入ってきた。

付き合ってんのって、あの2人だったのか。

うすうす気づいてたけど、信じたくねーな。

「みっちー!」

道隆先輩は、平瀬をこちらに呼んだ。

平瀬は、俺の方をちらっと見て少し顔をしかめた。

気まずそうにこちらに来る。