「ホントですか!やったぁ、嬉しい!」

素直だな。でも笑顔だったらあいつの方が…

いや。なんで平瀬と比べるんだよ。

もう、あいつのことは忘れよう。

もうあいつを泣かせないように、傷つけないように。

 そう決めたんだ。あのときは…

あいつを忘れようとしてもう2ヶ月以上は経った。

そして気づいた。なにか大事なものを忘れてる気がする。

でも、それがなにかわからねーんだよ。

バスケはつまんねーし、学校もつまんねーよ。

「翔馬ぁ!」

甘ったるい声。俺の彼女の安藤七波。

学校でも、トップクラスの可愛い系女子。

クラスでも、友達は羨ましいと言ってくる。

「ん?」

「さっき、平瀬さんに話しつけてきた」

「は?」

「え、だからー。翔馬とはどんな関係なの?って聞いたら、

好きじゃないって言ってた!でも、なんか心配だなぁ。

女の勘っていうか、平瀬さんまだ翔馬のこと好きな気がする。」