偶然すぎる…

「そうなんですか。ちょっと貧血で」

「頑張り過ぎなんじゃねーの?」

「いや。そんなこと…」

否定しようとしたら、デコピンされた。

「頑張り過ぎはよくねーよ。ゆっくり休め」

「ありがとうございます。」

「てか、少し目腫れてる?泣いた?」

「寝すぎ…です」

優しいなあ、佐伯先輩は。

顔はこんなに強面なのに。ギャップある。

「んな、ジロジロ見んな」

佐伯先輩は、少し照れてた。

可愛いところもあるんだ。なんか笑っちゃう。

「何笑ってんだよ。」

「あ、すみません。ついっ。ははっ」

笑ってると、佐伯先輩は髪の毛をくしゃくしゃにしてきた。

「お仕置き」

そう言って、ニヤッと笑った。

「やばいですよー、これは」

鏡を見ながら髪の毛を直してた。

ギュッ。

「…え?」