ずっと好きだった。

誰か来た。お母さんが開けてくれるよね。

ドアの開く音が聞こえた。

「あら。上にいるわよ―?どうぞー」

その声だけが聞こえた。

やばっ。誰か来る。

こんなブサイクな顔見せられないよ。

あたしはとっさに布団で寝たフリをした。

がちゃ。ドアが開いた。

「あ。寝てるわ。おじゃましまーす」

えっ。この声って…佐伯先輩。

なんで…えっ?部活は…?

あー!寝たフリなんてしなきゃよかったー!

静かになった。いなくなったのかな。

目開けても平気かな。

「おーい。みちる。起きてんだろ。目開けろー」

佐伯先輩のその声をきっかけに目を開けた。

「やっぱり起きてた。」

「なんでここに…。部活どうしたんですか?」

「引退して、冬も出るつもりはないから

部活はないよ。今日は暇だったから寄ってみた。

そしたら偶然みちるがいた。」