ずっと好きだった。

「あの…保健室に連れてっでくれて、ありがと」

「ああ。うん。いいよ。それだけ?」

「あ、うん。」

「そっか。じゃあな」

…。目の前の視界が、ゆがんだ。

なに泣いてるの、あたし。泣いちゃダメだよ。

「先生。体調悪いので、帰ります」

「あら。そうなの。確かに、顔色も悪いわね。

わかったわ。一人で、大丈夫?」

「はい。大丈夫です」

「そう。じゃあ気をつけて。お大事にね」

あたしは、かばんを持ち教室を出た。

「え?みちる?帰るの?」

「うん。やっぱり体調がよくなくてさ」

「そう…。無理しないで」

紗香は心配そうにあたしを見送った。

階段を降りて行くと、翔馬と仲のいい女の子が目の前にいた。

「あ、平瀬みちるさんですか?」

「そうですけど。」

「私、2年D組の安藤七波(アンドウ ナナ)と言います。

翔馬とはどんな関係ですか…?」

「…どうして?」

「翔馬と付き合ってるから。でも、みちるさんも

翔馬と付き合ってるのかと…」