「は?なんで泣いてんだよ。どうした?」

「佐伯先輩…」

「馬鹿。もう泣くな。顔がやばいから」

佐伯先輩は、自分の服の袖で涙を拭ってくれた。

「話してみな。ほら、ジュース」

佐伯先輩は、自販機でジュースを買ってくれた。

「あたし…翔馬を傷つけてしまったみたいで…

そんなつもりはなかったんですけど…

翔馬は自分のせいで負けたと思ってるみたいで。

そんなことないって言ったら…なにがわかるんだって言われちゃいました。

なんか‥でしゃばりすぎましたね、あたし」

頑張って笑顔を作ったつもりだけど…うまく笑えていないのは

自分でも分かってた。

キュッ。

えっ…?

「ばか。優しすぎるんだよ。お前は…」

佐伯先輩は、あたしの頭を持って、自分の胸に軽く押し当てた。

ぽんぽんて、頭をなでてくれて。

それでまた涙はでてきた。

「あいつのせいで負けたと思ってんなら、

そりゃ大間違いだ。あいつがいなくたって、

俺らがもっと体力あればよかった話なんだ。

気にすんな。」

「でも…」