黒色デイズ~不器用なあなたと~



「…………」

『ご、ごめんなさい…』

私が余計な事を言ったせいで沈黙が流れる。

「…あ」

沈黙を破ったのはこの人だ。

「…月影隼斗。名字以外なら、好きに
呼んでくれて、いい…周りから、は…
ツッキー、って呼ばれてる…」

あ!そっか。名前まだだったね。

『じゃあ…、隼斗さん』
名字以外、と言われたら名前で呼ぶしかない。

そう言うと彼は一瞬、驚いて小さく笑った。

…その笑顔には懐かしさを感じた。

「変な、やつ…皆はツッキー、って呼ぶのに
名前で、呼ぶなん、て…」

『んー...隼斗さんの方がしっくりくるって
いうか、…』

彼の方をちらっ、と見ると
まだ笑っていた。

「…あんたは?」

私に気づいた彼はすぐ無表情に戻って
私の方を向いた。

『飛鳥心彩です。』

隼斗さんは私の名前を聞いて何かを
考え出した。

『あの、…』

「苺…」

苺?なんで、苺なんか…

「あんたの、名前…苺、みたいだ」

その日から隼斗さんは私のことを
"苺"と呼びはじめた。