~side 美音~
私と宮坂くんは今日大学を卒業した。
つまり、"本当の別れ"がやってきた。
「…明日だね、とうとう」
『うん…』
宮坂くんがいなくなる日。
あの頃はまだ1年もあるって思ってた。
でも、あっという間だったね。
「ほら、行ってきなよ?」
『いいよ、宮坂くんは明日の準備で
忙しいから』
「みぃ。今、言わないと絶対後悔するよ」
『…だよね』
私は走りだした。
「橋本?」
『ごめ、ん。準備で忙しいと思ったけど』
宮坂くんは私を家に入れてくれた。
『どう?準備は。』
「ほとんどできた。」
『そっかぁ…』
喋っていないと涙が溢れる。
『こんな部屋なんだね。あ!これ、京都で
買ったやつ?見ても…』
いろいろ見ていると腕を掴まれた。
「無理しなくていい。言いたい事が
あるんだろ」
『…バカ』
「うん」
『ほんとにバカ』
受けて止めてくれる宮坂くん。
『……好き』
これが私の最後の告白。