高校を卒業した私達はそれぞれの道へと進む。

私は介護の仕事。
みぃはカウンセラーになるため大学へ。
宮坂くんは医者になるため大学へ。
りんはピアノの先生をやっている。

高校の時よりは会う回数が減った。
それでも1ヶ月に4、5回は会っている。
皆の近況を報告しあって他愛もない話して
帰るだけ。それでも高校時代に戻った感覚に
なって楽しい。

『疲れた…』
介護の仕事は力も必要だ。
でも、楽しい。人見知りの私がこんなにも
人と話せるようになるなんて。いつもみぃの
後ろをついていってた私が。

「心彩ー、ご飯よ」

『はーい』

今の私にとってお母さんのご飯は力の源。
ホントに美味しいんだもん。

「どう?仕事は」

『ん?楽しいよ。先輩方も優しいし』

「何かあったら相談しなさいよ。
美音ちゃんとか。」

『何もないよ、多分』

お父さんの帰りがいつも遅いから夕飯は
いつもお母さんと2人。小さい頃から
お父さんは仕事でほとんど家にいなかった。
でも、さみしいとは思わなかった。
ずっとお母さんがそばにいてくれたから。
だから、お母さんには感謝してる。