~side 柊夜~
「柊夜、行くぞ?」
『あ、今行く』
俺は姿を消した。
りんから、橋本さんから、翔央から。
そして…飛鳥さんから。
あれからもう2年もたつのに
ふとした瞬間に飛鳥さんの笑顔が浮かぶ。
─黒川くん!─
笑顔で俺の名前を呼んでくれる飛鳥さん。
俺は…飛鳥さんが好きだった。
今でも好きだ。何も言わず姿を消して
好きだなんて図々しい。
「柊夜、打ち上げ行こうぜ!」
『ごめん、行きたいとこがあるんだ』
クラスの打ち上げを断ってまで行きたかった
場所。
それは前、住んでいた場所。
今まで、何回も行こうとしたけど無理だった。
…やっぱり無理だ。帰れない。

