ずっと好きだった人。そんな人を簡単に
忘れられるなら誰も苦しまない。
「寒いね~」
『でも今日は午前中授業だし。がんばろー!』
黒川くんとりんの思い出の場所で
叫んで泣いた日から私は心の底から
笑えている気がした。みぃも
「うん!ホントの心彩だ!」って。
そう、これがホントの私。
『そういえば…もう少しでみぃ、誕生日だね』
「18歳って実感ないんだよね…」
『皆そういうもんだと思う。18になっても
みぃはみぃだよ。』
「大好きっ!」
抱きついてきたみぃを受け止めて思った。
温かいって。冬だからかな、寒く感じるのは。
もちろん寒いのは当たり前。でも、"心"が
寒いの。ぽっかり穴が空いたみたいに。
「あ、…雪だぁ…!」
『ほんとだ…』
雪が降ってきたことにはしゃぐみぃ。
ほんとに、18歳になる人よね、あれ。
まだまだ子供っぽいんだから。
『ほら、行くよ』
「あ、待ってよー!」