昨日あんなことがあった後だからみぃと顔、
合わせにくい。こんなことを思ってしまう私は
最低だよね。

少しの間だけ1人で学校に行こうと決めた。

『お母さん、私一週間くらい早く行くから…
みぃが来たら伝えてね』

お母さんは何も聞かずただ
行ってらっしゃい、と言ってくれた。

「飛鳥さん」

『黒川くん?』

なんでここにいるんだろう。

「気になったんです。だから…」

『ありがとね。』

昨日のことでなぜか黒川くんとは
分かちあえた気がする。

『ね、黒川くん。敬語、やめない?』

「いや、でも…」

『私は寂しい。距離があるみたいで』


なんて、まるで私じゃないみたい、こんな事
言うなんて。

「わかった…」

少し照れた顔。

『初めて見た…』

「あんまり表情ださないから」

『じゃあ、私はラッキーだね!』

そう言うと彼は笑った。その笑顔を見て
もっと知りたい、と思った。

…そういえば昔、いた気がする。
全く笑わない男の子。でも、私には
笑いかけてくれたっけ。
どうしてるんだろ、あの子。