黒色デイズ~不器用なあなたと~



「心彩!?心彩!!!」

みぃの声はするのに姿は見えない。

真っ暗な部屋でさまよっている私。

歩いても全て壁。出口はない。

私、ずっとここにいるの?

そう思うと怖くてたまらない。

「…飛鳥さん」

その声とともにひとつの光が差した。

私はその光を追いかける。

「心彩っ!」

目覚めるとベッドの上。

『私…』

「倒れたんだよ…ほんと心配したんだから」

『ごめんね』

また、心配かけて迷惑かけて。

もうこんな自分がいや。

「顔色はマシになったわね。橋本さん、送っていってあげて。」

先生はみぃにそう告げた。

「帰ろ?」
差し出された手。嬉しいけど今はこの手を
握れない。

『1人で帰れるから。みぃは部活行って』

ベッドから立つとフラフラする。
でもその体を無理やり支えて笑いかける。

「心彩っ」

みぃが呼ぶのも聞かないふりをして
保健室を後にした。

「優しいんですね」
ふと聞こえた声に振り向く。

『黒川くん…そんなことないよ。昔からみぃには迷惑かけてるから』

そう、いつもみぃを頼ってばかりで。

『私、帰るね』
こんな話を黒川くんにしても意味が無いのに。

「家、どこですか?」

『大丈夫、1人で帰れるから』

みぃに言った同じ言葉で彼を突き放す。

もう、誰にも迷惑なんてかけられない。

『また、明日ね。』

背を向けて歩き出す。

「…ふざけないでください。橋本さんはあなたを心配してるんです。…俺も。」

『ごめんなさ、い…』

「いいんです。君は甘えても。みんなそれを望んでますから。」

なんか変な感じがした。黒川くんとはここで
初めて会ったのに前から知っているような。

結局送ってもらった。何かお礼するね、と
言うと彼はまた笑って学校に来てくれるだけで
いい、と言った。