「心彩。1時間目はHRだから、ゆっくりで
いいよ。私が先生に言っとく。」

追いかけてこないのはみぃなりの優しさ。

「飛鳥っ、待てっ…」
心配して追いかけてきてくれるのは
宮坂くんなりの優しさ。

それでも追いかけてこないのはみぃに
止められているんだろう。


『ごめんね、2人とも。今は1人になりたい』
私が向かったのは図書室。
この時間帯は誰もいないから。

『黒川くんのバカ…』
何も言わずいなくなるなんて。

『黒川くんのバカ…』
りんを置いていって。

『黒川くんのバカ…』
…私をこんな気持ちにさせといて。

『いなくなるなんてずるいよ…』

たくさん泣いた。泣いて泣いて…
私は黒川くんの事が好きだったみたい。
いなくなってから気づくなんて遅いのに。

この日を境に、私は泣かなくなった。

みぃはそんな私を見て泣きそうな顔をして
私を見る。どうして、みぃがそんな顔を
するの。私は…みぃに笑っていて欲しい。