~side りん~
『ムカつく、あの女』
私が初めて会ったのはバスケの試合を
見に行った日。
席に戻ろう、って言って柊夜の腕を
引いて行こうとしたら、あの女が柊夜を
連れていったのよ!
私の柊夜なのに…
そう、私は柊夜が好き。
でも柊夜は私を好きじゃない。
そんなのわかってた。でも、私の怪我が
ある限り柊夜は私のそばにいる。
柊夜に好きな人ができても。
ずっとそう思ってた。
なのに…
「もう疲れた。りんのそばにいるのは」
『何、それ…私の怪我は誰のせいよ!』
「俺のせいだ。でも…気づいてるんだろ?
もう、治ってるって。」
『でも、バスケはもうできない』
「お前はバスケ以外にもできるだろ」
『いや、柊夜。そばにいて』
「ごめん、りん」
ホントはわかってる。治ってるって。
バスケじゃなくてもできることはあるって。
でも、柊夜にそばにいてほしいの。