『ねぇ、みぃ。』

「ん?」

思い切って打ち明けてみることにした。

『昔さ、このあたりに笑わない男の子って
いた?』

「笑わない男の子?いたっけなぁ~」

みぃはわからないみたい。
やっぱりいなかったのかな。

「どんな子なの?」

『うん…あんまり覚えてないんだけど。
ほんとに笑わない男の子だった。だけど。
1回だけ笑ってくれたんだ。』

「んー、なんか黒川くんに似てるね」

やっぱりみぃもそう思うんだ。

『だめだ。ごめん、変な話して。忘れて』

「どしたの、頭抑えて」

『その男の子のこと、思い出そうとすると
頭が痛くなるんだよね』

「なんかありそうだね」

思い出せたらいいのに。