過去、か。いろいろあるんだね。
……あのときの男の子は誰なの、かな。
少しだけ少しだけ黒川くんに似ている。
でも、考えたら頭が痛くなる。
これは思い出すな、ってことなのかな。
「あんた。」
『りんさん…』
「余計なことしないでよ!」
『黒川くんの事?』
「あんたがいなければ…柊夜は私のそばにいた」
『それ、つかれない?』
「何も知らないくせに」
それだけを言い残して背を向けた。
黒川くんが好きなら黒川くんの幸せを考えて。
きっとりんさんなら出来る。
だってこんなにも黒川くんがすきなんだから。
そう思いながら彼女が落としていった写真を
拾う。それは小さい頃の2人の写真。
2人ともちゃんと笑えてるじゃない。
この時の気持ち、思い出して。