妖に願いを。

『何故 お前に俺の名前を教えないといけんのだ。
礼儀からして 自分から名乗るのが常識だろう」





あぐらをかき 腕を組み こちらを見下ろす。

なんともまぁ 自信に満ち溢れたような方だ。

「す、すみませんでした…。
僕は ここから少し離れたところに住んでいる 橘 圭介といいます。16歳になった高校一年生です。」


『タチバナケイスケ?
なっがい名前だな」



「タチバナは苗字ですよ。
普通の名前じゃないですか」



『普通じゃねーだろ長えよ』









さっきから薄々感じているが…





この人、人間じゃない。






オーラが全然違うんだ。








風は吹いていないのに スゥっと微かに頬を掠める感覚…


猫耳の男は じっと僕の事を見下ろしている。








「もしかして、神様ですか?」



『…あ?』










僕が訳わからん発言をした瞬間、猫耳男の顔が一気に変わった。
すっっっげえ怒ってる。