よくいじってくるし、何度も可愛いとか好きだとか言ってくるからだ。
アイドルなのはいいがあまりからかわないで欲しいのだ。
本気になってしまいそうで怖いから。
ファ『じゃあ、頼んだよー』
ブチッ――
「頼んだよーってなんかいつも通り軽いな……」
「まあ、ええか……早速、誰かいないかな……あっ」
この時、奏多の頭の中にはある言葉が思い浮かんだ。
それはある、リスナーさんの言葉だった。
よく、奏多の枠に来てくれる人で可愛くて少しだけ変態な部分もある女の人だった。
奏多は、その人のことを「ひよりん」と呼んでいる。
「ひよりん……一緒にシェアハウスしたいって言ってたような……」
それに、それだけではないのだ。ひよりんには彼氏がいる。
その彼氏さんはもちろん、奏多のリスナーさんでもあるのだ。
奏多もファヨムと会うまではその人のことが好きだったのだ。
だが、告白したが振られてしまったのだ。
その人のツイッターでの名前は、「叢雲」だ。
「むらくもさんか……あの人も呼んだらひよりん、喜ぶよね……」
奏多は、最初のうちは諦められないところもあったが、ひよりんと叢雲さんが幸せそうにしていたので応援することにしたのだ。
その後、違う人と付き合うも上手くはいかなかった。
だから、奏多は恋愛というものをするのを諦めていた。
「ヨムさんと……一緒に住んだら大変なことになるな……ひよりんが」
そう、ファヨムはアイドルだがかなりのチャラいなのだ。

