あたしが恐れていた事が起きた。
“独りぼっち”
それは、孤独とも言う。
なんで嫌われてるのか、省かれているのか。
何となく察した。
この部活に、あたしは必要ないんだ。
大きな黒い“何か”があたしに渦巻いた。
そして助けを求めた。
明るみに出たかった。
手を差し伸べてくれたのは、紛いもない今の“部活”。
美術なんてあたしには才能のさの字も無いくらいに関係も無かったけど。
今の部活仲間が呼んでくれたから。
優しく、迎えてくれたから。
少しいつもどおりの自分が取り戻せた。

笑えていた。
自分でも、びっくりするくらい。
絶交だと思っていた人も、戻ってきてくれた。
それで、良かった。

先輩は、止めてくれたけど。
それを振り切ってこっちに来てしまった事に後悔もした。
でも良かった。
もう、何でも良かった。
でもクラスメイトや、周りは相も変わらず。

「何で辞めたの?」

「いじめられてたの?」

「どうせまたもめたんでしょ」

「またあの部活かよ」

そんな事を、目を輝かせながら言う人達と関わりたくも、話したくも無かった。
あたしのせい。
部活や、先生のせいじゃない。
全部、あたしのせい。

そんな事を考えるようになっていった。



どこへ逃げようと、自分の中にいるもう一人の自分からは逃げられない。

「どうせまた裏切られるんだぞ。」