これは、なんという“気持ち”なのだろう。
どす黒く染まっていってしまう自分の心を、あたしは必死に隠して過ごした。
毎日、あなたが笑いかけてくれる。
そういう日々を、前までは、願っていたはずなのに。
なのに、どうしてだろう。
どうしてこんなに汚くなっていってしまうのだろう。
あたしの心は、いつまで経っても、成長することはないのか。
小さい時。
忙しい母にかまって欲しくて、毎日「お腹がいたい」と駄々をこねたことがあったっけ。
頭をなでてくれる反面、「面倒くさい」と顔にでていた母の顔は、今も鮮明に覚えている。
人間は所詮、小さい頃と変わりやしないんだと、誰かが言っていたような気もする。
かまって欲しい。
でも、今は。
あなたは忙しい。
わかってる、
わかってる。
本当は、大人みたいに「気にしないで」とか言いたいのに。
口から出てくるのは「大丈夫、大丈夫。」顔には、作り笑いが張り付いてしまっていた。
どうやったら、心の底から笑えるんだっけ。
あなたに出会ったばかりの頃は、いつものように笑えていたのに。
こんな不安定な自分が、嫌いだ。
悩む必要のないところで、悩み通してしまう自分が嫌いだった。
今のままの状態じゃ、あなたには顔合わせできない。
そう思った。
でも、想いは募っていく一方で。
自分の中で、どす黒い感情が渦を巻いて、竜巻のように、嵐のように、心をかき乱していく。
混乱状態。
錯乱状態。
情緒不安定。
周りはいろんなことを言うけれど、あたし自身はよくわかっていない。

風は、あたしをかき乱す。

「自分の“気持ち”が嫌になるね。」