何本も、何本も絡み、そしてふいにほどけていく、赤い糸。
人間という営みの中、何億、何千万、その中から出逢える、数少ない“希望”。
幾筋もの赤い糸は、切れる事を知らない。
絡み合い、そしてほどける。
その繰り返し。
単純なようで、実はとても難しいもの。
切れる事はなくても、とても儚く、そして慈しみを持った、綺麗なもの。
赤い赤い、糸は、絡み合う。
ほどけないよう、人間は“願い”を込める。
星に隠された、たくさんの人々の願いは、糸に届く。
あたしには関係のないものだと、思ってた。
あなたが、あなたが、あたしを止めてくれるまでは。


「初めて笑ってくれたね」

あなたはそう呟いて、あたしを光で包み込んだ。