4時間目が始まり、ゆっくり階段を下りる。階段で発作が出たら大変だから。 上るのは疲れるけど、下りるのも同じくらい疲れるんだよね。 みんな知ってた? 「早くっ!」 保健室から奈美の声が聞こえた。 誰かいるのかな? ーガラッ 扉の向こうには奈美とレイくん。 …ケンカしてるのかな? 「あれ?おはよー、レイくん。また涼みにきたの?」 「おは」 「雅離れてっ‼︎」 奈美の叫び声がレイくんの声を遮る。同時にある匂いが鼻をかすめた。 「えっ?それ…」