寝ている人の顔を覗きこむ。


…坂市だ。
もう一つの方は見なくても分かる。いや、もう見たくない。

はぁ…私、そんなに日頃の行いが悪いのか。一体なぜここにいる…?


お前らはいなくて良いんだよ。


「おい、坂市起きてっ!!てか、そこどけ。」

怒りに任せて大声を出してしまった。
雅、ゴメン。でもそろそろ重い…。


「ん…何?うるさい…。」

「いいから起きて。雅が倒れたから。」

まだ眠そうにしながらも起き上がり、私の方を向く。

「あっこの前の金髪ちゃんっ⁈」

「うるさいって…。てか何で雅のこと知ってんのよ。」

「前に旧校舎で会った。」

そう言ってベッドから下りて、雅を寝かせるのを手伝ってくれた。

…こういうさりげなさは嫌いじゃない。