ー加藤奈美sideー

バスケ嫌だなぁ…。
暑い中ボールを取り合うだけのゲームなんて、暑さが増すだけだって。
…あー楽しくも面白くもない。

ていうか、マジで暑い。夏じゃないの?
先生頭大丈夫?あぁ、この暑さのせいで頭ヤラれちゃったのか。
あぁ、早くプール入りたーい!…まだ6月だけどさ。


「奈美っパス!」

「へ?うわっ?!」

いつの間にか試合が始まっていたらしい。
いきなりパスを出され、咄嗟にどこかにボールを投げた。そのボールは綺麗な弧を描いて…



ードサッ






何か後ろで音がした。気になって振り返ると金髪が目に入る。

「雅っ!!」
「「わぁー!」」
ボールはゴールに入ったらしく歓声があがる。
でも今はそんなことどうでもいい。先生は……いない。
役に立たない教師だ。一体どこに行ったんだ。

雅を担ぐ。
そのまま保健室まで行くことにした。

…軽い。前に人が気を失うと重くなるって聞いたことがあった。けれど私より軽いんじゃないかと思うくらい雅は軽かった。