すると、魁斗がどこかへ走っていなくなった。
彼の行動にびっくりしたけど、なぜか諦めの気持ちもあった。
「うちのこと嫌いになったのかな.....。」
お母さんや周りのみんなは、私の正直な答えを嫌がる。
周りの気持ちを考えてないんだって。
傷つけてることにも気づかないから。
少しぐらい気を遣いなさいとよく言われていた。
海愛には気を遣わなくていいって言われてるから遣わないけど。
魁斗はそうでもなかったのかも。
「どうしよ.....。」
私の心の中に一気に不安が押し寄せた。
魁斗がいなくなったら。
魁斗に嫌われたら。
そう思いながら木を見上げた。

