「幸花ー!幸花は桜好き?」 「嫌いだよ。」 即答だった。 「嫌い.....なのか?」 びっくりしたように私を見る魁斗。 「嫌いだよ?汚く見える。吐き気もする。」 この言葉は、桜に対してじゃない。 あの子に対して。 でも、あの子と同じ色をもった桜もまた嫌いだった。 「ピンクは大っきらいなの。 」 私は、大きな木を見上げてもう一度言った。