でも、魁斗のおかげで気持ちも少し楽になった。
「ありがとな。」
「おうともよ。」
ははっ。
こいつの変なところは俺ら幼なじみが大好きな所で、元気が出る。
なんでか知らないけど。
「幸花は?」
「海愛探しに行った。けど見つからなくてたぶん戻ってくる。」
なんだそれ。
でも海愛は隠れるのがうまい。
簡単に見つからない。
「でもなんで戻ってくるってわかんの。」
メールか?
「はっ。幸花のことはこの俺がよくわかってんだよ。」
そう自慢げに言うのはいつものこと。
でもそれがうらやましかった。
おれはこいつらより海愛と一緒にいるのに、海愛のことがなかなか
読めない。
だから、こいつがうらやましい。
「あそ。」
「もうちょっと反応しろよー。え、すごーい!とかそうなの!?とかさ。」
んだよそれ。
「おれは乙女か。」
「いけんじゃね?」
「黙っとけ。」
「けけけけっ。おもしろ。」
お前の笑い方がこえーよ。

