まぁ、これで自分のものを守れたわけだし。
「早く学校行こ。そろそろチャイムなる。」
「そだねーー。ほら、魁斗行くよ。」
「お、おう。」
なんだかぎこちない魁斗に幸花はおもしろそうに笑う。
そんな二人を見て私も頬が緩む。
「海愛。」
月希に呼ばれて後ろを向く。
「なに?」
「待って。」
「あ、うん。」
自転車を駐輪場にとめる月希を待つ。
「幸花ー。先行ってて?」
「わかったーー!」
すぐ追いつくからという意味で言ったのに。
「任せろ!」
かいとの意味不明な返答。
「なにをだよ。」
あいつには言ってないのに。
魁斗のズレているところが心配。
噛み合うのも難しい。

