それに気づいたときには私の体は動いてた。
「......の、海愛.....?」
「.........。」
私の行動に驚く幸花。
魁斗はよかったとでも言うように胸を撫で下ろす。
月希は、誰よりも驚いていた。
でもそんなのどうでもいい。
私は自分の指定席を誰にも触れさせたくなかった。
例え、大親友の幸花でも。
「海愛....どうしたの....?」
自分の゛場所゛の前に立ちはだかる私に戸惑いながら聞く幸花。
「.........ここ.....。」
「え?」
「ここ......。」
ここだけが私がつらいこと全て忘れられるところ。
臆病だけど、ずっと恋していられる場所だから。
「ここは、うちの。」
自分のだと言った時に、月希が息を飲んだのが分かった。
こんなこというのを恥ずかしいなんて思ってない。
自分のものを自分のだと主張しただけ。
誰にも渡せないものぐらいある。
私にはこれだから。

