月希の後ろに乗ると一瞬にして月希の香りが私を包む。


朝、この匂いをかがないと落ち着かない。


これが私の1日の始まりみたいになった。




甘い香りじゃなくて、ツーンとした香りでもなく。

私にとって一番心地のいい香り。



すべてを忘れさせてくれる。


安心できる。





「海愛。」


「何?」


「ちゃんとつかまれ。」



ちゃんとつかまれって......



匂いかいでるからしっかりと月希の背中にしがみついてるのに。




「窒息するよ。」

「ははっ。しねぇーよ。」



いやいや。

これ以上は無理でしょ。