「魁斗たちのとこに行ってて。うちここにいるから。」
まだ一人になりたい。
さみしいときに欲しくなるハグも今はいらない。
話しかけられるのも嫌だ。
何か嫌なこと言ってしまう前に、一人にしてほしい。
「月希。魁斗たちんとこに.....っ!」
月希の方をみた瞬間、唇に柔らかいものが一瞬触れた。
それが彼の唇だということに気づくのは時間がかかった。
「........。おばさんになにかあったのか?」
心配そうに聞く彼だが、私の思考は停止していた。
何も言わない私の頭にぽんっと手を一瞬のせ、私のかばんを整えて
くれた。
さっきイライラで無造作に置いたから若干ちらかっていた。

