じゃあ準備してこようかな、と言ってお母さんは奥の部屋へ

消えていった。




「おばさん、まだだめなの?」


「.......全然.......よくなってるよ。」



よくなってる。



見てわかるよ。





「そっか。」


そう言ってまた食べ始める幸花。



幸花は深く聞いてこない。

私も言わない。


大したことない話だから。




でも幸花の優しさにはいつも助かってる。




ピロローン。



「あ、うちだ。」


口をぱんぱんにふくらませながら幸花はポケットから携帯を取り出した。



「お!はいとはちもういるっへ!」


「.......まず口ん中のやつ飲めこんでよ。汚いわ。」


「へいへい。」