「笠原先輩って、もしかしたら雅に気があるんじゃない?」
「“き”がある…?」
き、って……その辺に生えてる木?
……なわけないよね。
気って……興味がある、とか、好きとかそういうこと?
今までの先輩の言動を思い出す。
「ないない。私は先輩にとったら、ただの暇潰しの対象=ペットだもん」
ズキッ。
自分で言って胸を痛める私。
馬鹿みたい。なんで、そんなんで傷付いてんのよ……
「そうかな〜。恋の邪魔したり、そもそも暇潰しの対象にキスなんてしなくない?」
「先輩は例外!だって、学校中を騙してる意地悪王子なんだから」
全校生徒、先生達、全ての人を騙してキラキラ王子様を演じる先輩。
そんな先輩に常識なんてあってないようなものだ。
「う〜ん…そうかなぁ。私には雅にだけ素を見せてるように感じるけど」

