俺様主人は時に甘い


翌日の土曜日は朝から部活に来ていた。


今日も相変わらず素っ気ない先輩に苛立ちが募る。



「雅!」



背後から呼ばれ振り返ると、私の救世主が笑顔で手を振りながら近付いて来るところだった。



「鈴菜ぁ〜っ‼︎」



持っていた箒を投げ捨て、鈴菜に抱き付く。


鈴菜なら的確な解決策を考えてくれるかもしれない。


まさに私の救世主だ!



「どうしたの?」


「実はね…」



私はお母さんに話したこと+キスのことも含め、洗いざらい全てを鈴菜に話した。


もちろん、先輩が仮面王子だったってことも。




「ね!酷いと思わない⁉︎」


「……」



マシンガンのように一気に話し終えると、眉間に皺を寄せて難しい顔をしてる鈴菜に気付いた。


そんな鈴菜に、一瞬不安を覚える。



「す、鈴菜……?」


「っっ、あ…ごめんごめん。考え事してた」



そう言って、アハハといつもの笑顔に戻る。



気のせい…かな?


なんか、さっき…鈴菜から異様な殺気を感じたような…