「別に先輩を好きなわけじゃないしっ」


「そうなの?」



そうだよ!


別に先輩のこと好きでも嫌いでも何でもないもん!



「でも、あながち間違いではなさそうね」


「え?」


「だってそうでしょ?“彼氏と何かあった?”って聞いたらその先輩を思い浮かべたじゃない。普通、そこまで好きじゃない人のことは思い浮かべないはずよ」



た、確かに……


お母さんの言う通りだ。



何で私、先輩のことこんなに考えてるんだろう。


先輩が変でも私には関係ないじゃない。



「お母さんに話してみたら?」



珈琲を飲みがらそう言うお母さんは、「娘と恋バナしてみたかったのよね」と微笑んだ。



お母さんに先輩のことを話すのは気が引ける。


けど私一人で処理出来るキャパを超えて、頭の中はパンク寸前だった。



「あのね…」



私はキスされたことは除いて、お母さんに先輩のことを話し始めた。