「あーもう!一体何なのよ!」
ソファに座り、モヤモヤをぶつけるようにクッションを何度も叩く。
ホント意味がわからない。
先輩の行動も、この意味不明なモヤモヤも。
「あらら。どうしたの?眉間に皺寄ってるわよ」
お母さんはクスクスと笑いながら私の前にアイスココアを置くと、隣りに腰を下ろした。
「どうしたもこうしたも、このモヤモヤをどうしたらいいのかわからないんだもん」
それもこれも全部先輩のせいだ!
先輩が変だから、調子が狂うんだよ。
先輩が…
「彼氏と何かあった?」
「ブーーーーッ‼︎」
お母さんが突拍子もないことを言うもんだから、丁度口に含んだアイスココアを勢いよく吹き出してしまった。
「かか、彼氏⁉︎」
「あら、違うの?」
「違う違う!先輩は彼氏なんかじゃ…」
「ふふふ。雅の好きな人は年上なのね」
お母さんは、目を細めて「まぁまぁ」と嬉しそうに微笑んだ。