「じゃあもし、仮にだ。それが陽平じゃなく別の誰かだったってわかったら、ミヤはそいつのことを好きになるのか?」
「え…?」
電話の相手が先生じゃなかったら?
「陽平を好きになったきっかけは、その電話なんだろ?」
そう。あの電話で、恋に落ちた。
まだ名前もうろ覚えで、顔なんて全く思い出せなかった先生を好きになった。
もし、それが別の人だったら…
それでも、先生への想いは消えないと思う。
「…もし仮に先生じゃなかったとしても、私は先生が好きです」
確かにあの電話がきっかけで。
あれから先生を毎日目で追うようになって、日に日に先生への想いが深くなった。
見てるうちに先生の良いところをたくさん知った。
もうあの電話だけが理由じゃない。
私は先生の全てが好きなんだもん。
例えあの電話が別の人でも関係ない。