俺様主人は時に甘い


本当は、凄く凄く寂しかったし、不安だった。


ただでさえ、始まる新生活。


それなのに、初っ端から休んで友達作りに乗り遅れる不安。


蘇る、中三の記憶。


お母さんに嫌われたくなくて迷惑を掛けないように自分の気持ちを押し殺してきた結果、友達付き合いも下手になった私は、新生活ほど不安な物はなかった。



それに加え、優れない体調。


こういう時、甘えられる人は私にはいない。


友達も、彼氏も。


お母さんもお父さんも、いない。




誰かに甘えたかった。ずっと…


ひとりぼっちになりたくない。



こういう時、お母さんの作った卵としらす入りのお粥が食べたい。


水仕事した後の冷たいお母さんの手を額に当ててほしい。


それだけで私は満足なのに…