俺様主人は時に甘い


だけど、先生は私の予想とは違う反応を見せた。



『大丈夫か?』


「へ?」



大丈夫?って、体調のこと?



『無理してない?』



先生の言葉に、ドクンと心臓が反応した。



『落合は偉いな。お母さんに心配掛けないように、今まで色々と我慢や無理をして来ただろ』



偉い…?そうじゃない、私は怖いだけ。


仕事で忙しいお母さんに迷惑掛けたら、お母さんに嫌われちゃうんじゃないかって。


お母さんは私に愛情をちゃんとくれているのに、私は勝手に怖くなって不安になって。


いつの間にか、自分の気持ちをお母さんに隠すようになった。


こうやって具合が悪い時も、絶対にお母さんにはバレないように振る舞った。


そのせいで、いつしか友達にも“自分”を見せることが出来なくなってしまった。