俺様主人は時に甘い


先生を好きになった入学式の翌日のことは、今でも鮮明に覚えてる。


高熱が出て、不安で不安で仕方なかったあの日。


先生のあの言葉がなければ、私は眠れない日を過ごしていたと思う。




「そういえば、お礼何がいいか決めた?」


「えっと…」



鈴菜の言葉を思い出す。



“ギュって抱きしめて下さいってお願いしてみれば?”



ど、どうしよう。


そんなことお願い出来るわけないのに、それしか思い浮かばない。



「何かあるのか?言ってみ?」



言ってみ?って、そんな簡単に言えることじゃないんですっ…


それを口にするのに、かなりの勇気が必要なんですっ…



けど。


“少しぐらい大胆にいかないと、人気者の先生の記憶にすら残らないわよ”


“恥ずかしいって言ってたら何も出来ないよ?もっと勇気を出さなきゃ”



うん。鈴菜の言う通り。


勇気出さなきゃ。



当たって砕けろ!


…砕けたくはないけど、でも、それぐらいの勢いでいかなきゃ!